メンバー鼎談

「たま」と漫画

ISHIKAWA CHIKU TAKIMOTO

ガロたまデジタル、第二回はニューアルバムが吉田戦車さんの『ぷりぷり県』のコラボレーションアルバム『パルテノン銀座通り』ということで、メンバーに「漫画」について語ってもらいました!

★これはWEB版の特別ヴァージョンで、雑誌掲載で大幅にカットした分も、ほぼ発言を忠実に再現して掲載してあります。


ガロ 今回はたまと「漫画」というテーマです。以前「ガロ」では『つげ義春特集』で石川さんにつげ作品に登場する地名の地図を書いていただいたりしましたね。
石川 ありましたね、でもあれ間違いがあって、訂正する機会がなかったんですよ(笑)。「しまった」と思った。
ガロ 滝本さんはガロ系はあんまり読んでなかったんでしょ。
滝本 石川さんを知ってからだからね。
ガロ 知らない人は一生知らない世界ですからねぇ(笑)。
一堂 まぁ…、ねぇ(笑)。
知久 僕はね、中学校の時の同級生の兄に「ケンさん」というチンチンのでかい人がいて、その人が「ガロ」をズラーッと持っていて。それでチラチラ見てたの。
ガロ その当時そのチンチンのでかいケンさんはいくつだったんですか。
知久 二つ上だから…石川さんの一個下ですね。当時…高校になったぐらいかな。でもその人は小学生の時からだからね、「ガロ」読んでたのは。
石川 そう、チンチンのでかいケンさんはね。
ガロ 僕のガロ初体験もやっぱり年上のいとこの家だったんですが…その人もチンチンでかかったですね。すんません全然関係なくて。
一堂 いや、共通項が。
ガロ やっぱりズルムケの世界なんですかね。
石川 やっぱりちょっと成長が早いんだよ、ガロ読むような子供は。みんなが「少年ジャンプ」とか読んでる時代に、ちょっと大人のね。で読んでみると、別にエロ本じゃないんだけど、ちょっとエロものもあったから、エロものとバレないでエロものも堪能できるぞ、という。
知久 つまり「ちんこ脳みそ」で探ったものなんだよね。…ちんこの話から路線を修正しましょう(笑)。
石川 ちんこ、ここまで!
ガロ …その後は、普通のというか、いわゆる一般の漫画雑誌も読んだんでしょ。
石川 平行してね。
知久 ちばあきおものとか、読んでたよ。
ガロ 当時というと「トイレット博士」「マカロニほうれん荘」「がきデカ」という世代ですね。
知久 「快僧のざらし」とか。友達が好きでいつも一緒に読んでたなぁ。
ガロ 山上たつひこさんが「こまわり君」絶頂期に別の月刊誌で連載していたやつですね。
知久 あとは永井豪の「けっこう仮面」ね。あれ読みながらオナニー…ってちんこの話はやめましょうね(笑)。でも「けっこう仮面」見ることすらさ、俺んちは二間しかなくて、絶対人と一緒にいるから、夜中にこっそり懐中電灯で見るんだよ。でスケベページをね、カイてないにしてもなるべくこう、顔寄せて近くで見るわけさ。そうするとインクの匂いがプーン、としてね(笑)。
石川 俺もオナニーなんか覚えてない小学校三、四年の時にジョージ秋山の漫画で裸の女の人が水族館か何かでバーッと出てる絵があって、それを押し入れに隠しといて、たまに引っ張り出しては30分ぐらいずーっと眺めてたりしたなぁ。
滝本 俺も告白しよう、ここで。(一同笑)漫画で性的なものを感じた最初はね、後から思えばだよ。「リボンの騎士」なの。あれは女なんだけど、王子の格好してるんだよね、だからつまり…
知久 女なんだけど男の格好していて、それが女に化ける、という。
滝本 そこに興奮したね。後から思えばだけど。何でかその時はわからなかったけどね。
ガロ 手塚治虫さんはエロティックな漫画も多いですよね。
知久 そうだね。
ガロ 「メルモちゃん」もそうだし「ブラックジャック」とか、大人向けの作品以外でもけっこうありましたもんね。
石川 手塚漫画だと書店で買っても一番「健全な漫画」というイメージがあるからね。でも本当はそういうエロティックなものとか、異端なものも多かったんですよね、病気ものとか差別ものとかね。
ガロ 少年期はやっぱりどうしても性的なものに行きがちですよねぇ。
知久 反応しちゃうものがあったんだね、でそれをねじ伏せてるってのが。
ガロ 今だともう青年漫画なんかだと、「必然性のないエッチ場面」がポンポン出てきますから、いい時代ですよねぇ(笑)。
石川 今レディースコミックも凄いのは凄いからね、エロ本みたいなのもあるし。
ガロ さてそういう少年時代を経て(笑)、少し大人になってくると。
石川 僕はね、高校時代に庄司としおの「サイクル野郎」っていう漫画があって。
滝本 それに触発されて。
石川 うん、サイクリングに出かけたり、旅が好きになったりとかしたなぁ。
ガロ あとは「750ライダー」でバイクにはまったりとかいうのもたくさんいましたねぇ。
石川 そうね。でもあれは旅っていう感じじゃなくて。
ガロ バイクをモチーフにした学園ラブコメみたいな。
滝本 あれも途中から路線変えましたねぇ。ああいう無茶なことするよね、漫画って(笑)。
石川 ジョージ秋山の「花のよたろう」か何かでもさ、ギャグ漫画なのに途中からお涙ものになっちゃったりしたし。
知久 「翔んだカップル」も全然変わっちゃったよね、どんどん泥沼みたいになってて「何だこりゃあ」っていうような(笑)。
石川 「トイレット博士」なんてさ、トイレット博士なんか出てこなくなっちゃったもんね(一堂笑)。
滝本 そうだよね(笑)。
ガロ 人気が落ちてきたり長く続いたはいいけどマンネリになると編集側がテコ入れて、成功すればいいけどけっこうムチャな方向に行ったりしますね。
滝本 変わったといえば「ダメおやじ」じゃないの? 鬼ババァだったのが…
石川 ヒューマンな感じにね。
ガロ ゴジラみたいですね(笑)。最初は悪役だったのに、という。
石川 キャラクターは使いたいけど同じ路線じゃだめだ、ってんで。
ガロ そういえば、石川さんがつげ作品に触れたのは…。
石川 そうそう。中学生の時に群馬に住んでたんだけど、古本屋でつげさんの一番最初の文庫本、小学館の「ねじ式」かな、それを見たのが最初かな。それ以前につげさんを読んでたのかどうかよく覚えてないんだけど、「つげ義春」っていう名前に記憶があったのね。聞いたことあるなぁ、って。その頃TVで、NHKで「紅い花」っていうドラマがあって、「あ、これこないだ買ったやつだ」って思った記憶があるな。
ガロ アメリカでエミー賞を受賞したドラマですね。エミー賞ってものすごく権威ある賞じゃないですか、それなのに受賞の楯、数年前まで神保町の二階の本棚の上でホコリかぶってたんですよね。長井さんも「そういやどっかにあったな」なんて感じで、全然気にしてなかったという。…滝本さんはお子さんが生まれてからは絵本に凝ってるそうですけど、それ以前は普通の漫画ももちろん読まれてたんですよね。
滝本 読んでましたよ、普通に。
石川 単行本を集めたりするタイプじゃなかったんでしょ。買って読んでた?
滝本 買って読んでたよ。高校生ぐらいからは「ヤングマガジン」の「AKIRA」とか「バタアシ金魚」ね。
石川 じゃそこに山田花子さんの「神の悪フザケ」もあったんだね。
滝本 読んでたよ。こりゃまたすっごいのが出てきたな、と(笑)。「何だこりゃ」、と。
ガロ 当時「ガロ」ではなかなか入選できなくって。でもヤンマガに掲載されたのを見ると、「いいのかな」と正直思いましたよね。
石川 その当時エロ本か何かの編集をしてた友達がライブに山田花子さん連れてきてくれてね、紹介してくれた。
知久 それ覚えてるよ。MANDALAUだったね。もう10年以上前になるんだね。
ガロ さっき、買って読むかという話が出ましたけど、周りの友達ってけっこう漫画は持ってなかったですよね。もちろん好きな漫画は全巻揃ってたりするんですが、大体雑誌でその都度読んでて終わり、って感じみたいです。でその雑誌も、友達と回し読みしてたりして。
石川 俺はけっこう前チラッと読んで面白かったのは、古本屋でまとめて単行本で買ったりしてたな。だからものによっては雑誌に載ってても「あ、これまとめて読みたいから今読まないでおこう」というのもあった。
ガロ あとは喫茶店で読んだりね。
石川 そうだね。俺も雑誌は買わなかったなぁ、お金出すのは単行本で。単行本は残すものじゃない、だから残すものは買いたいと。で雑誌は喫茶店とか電車の網棚とかそういうので済ませて。
滝本 週刊誌なんかだとほら、種類多いから全部は買ってられないじゃない。だからけっこう友達同士で持ち回りでとか。
一同 あ、それあったあった。
滝本 ね。お前はサンデー、お前はジャンプ…とかね。
ガロ 回し読みして、面白くないのがあるとそいつに怒ったりしてね、「最近面白くねぇじゃん」とか(笑)。
石川 担当だからって(笑)。

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