デジタルG編集長日記
2000−4

山崎まさよしの声って…ハナクソ声。
4月某日
 週刊文春にカメラマンの「不肖」宮嶋茂樹が、まるで新発見のように「歴代ソ連(今はロシアだが)指導者はハゲとフサが交互に交替している!」と写真入りで見開きの記事(?)にしていた。そんなことはもう十年以上前にある漫画家が漫画の中で指摘してますよ(笑)。その時はゴルバチョフだったかな。次のエリツィンになった時も、「ははぁ、法則は生きてるなぁ」と感心した覚えがある。ただ、今のプーチンを「ハゲ」と言うのは可愛そうだが。
4月某日
 連れとバスで近所の公園まで出かけ、敷物を敷いて花見。公園には小さな池があり、釣り糸を垂れている人やら酔っ払ってる人やら。ボートに乗っている家族連れや子供たちもたくさんいる。小さな池なので、ボート同志が接触したりもよくしている。桜を眺めながらボーッと…と思ったが、ボートに乗っている家族連れのお父さんが、一九分けの髪の毛がなびき、パカッと反対側にめくれたりしている。しかし両手はボートのオールでふさがっている。従ってさみしく髪は電気釜のフタのように開いては風になびく。これが何ともおかしかったので、カメラで撮影。何やってんだか。
4月某日
 「アニメーション映画のアカデミー賞」であるアニー賞を9部門独占した「アイアン・ジャイアント」。
日本のアニメ界の人たちは大笑いなんじゃないのかねえ。あれって宮崎駿の「ラピュタ」に出てくるロボット兵か、「ナウシカ」の巨神兵じゃん。ていうかモロパクリだし。前からディズニーは「ポカホンタス」だの「アナスタシア」だの、だから日本アニメに負けるんだよ! と思っていたが、売ろうと思うと結局「ライオンキング」しかり、日本アニメを平然とパクるわけね。
 アメリカが日本アニメに負けるのは、そこにいつも漂うオトナの視点つうか、要するにアニメとか漫画好きのオタクが作ってないからだよ。CG技術とか予算がいくらとかそういうことではないのに。たかが子供相手のアニメだからとか、子供をだますのは簡単だなんて考えないで、真剣にアニメや漫画にのめり込めるかどうかなんすよね実際。かつて日本のオタクたち、80年代はじめ頃のオタク第一世代はよく「社会性がない」とか「仲間うちの集団でしか自己主張できない」とかダサいとかクサいとか(笑)いろいろ言われたけど、第何世代だか知らん今のオタクたちは実にカッコいいヤツも多いし、ちゃーんと新化している。オタクであることは全然格好悪くなくなっちゃった。まだまだ動物園の檻の匂いがするのも多いけども(笑)。
 VIZのスタッフと話してて、アメリカにも日本アニメや漫画のオタクがホンのちょっとづつ増えてきてるらしいけど、まだまだ変人、キワモノ扱いだって。そんな彼らが社会的にも認知されて、キチンと進化していけばアメリカのアニメも日本並になるのかも知れない。無理だろうけど。
 アメリカはよく言われるけど、子供にも権利と義務をきっちり教えて、対等の人間として周囲も扱い、ある年齢になると大人になることを強制される。日本は別にオトナになんかならなくてもいいもーん、むしろなりたくないしー、みたいなー、ていうかー、なんて国だからね。いわば子供向けのアニメを子供の心を持った人間が作ってるわけだから、TVゲームにしても何にしても、アメリカは追いつけまい。もちろんアニメや漫画、ゲームの世界はそれでいいけど、こんなガキ帝国ニッポンも問題多々ありますが…。
4月某日
 創形でゲスト講師一回目。学校は池袋に移転したばかりの新校舎で、さすがに綺麗。講義室は広く、50名ほどの生徒たちが入っても余裕がある。聞くとイラストレーター系の講師が多いそうで、編集者のゲスト講師は珍しいという。出版業界のことや編集のことなどを話し、質問を受け、生徒4コマ漫画を課題に出した。
4月某日
 創形で2回目の講義。今日は20度、春というより初夏の陽気で歩いているだけで汗ばんてきた。講義は前回出した課題の4コマ漫画を集めて、プロジェクタに映して一人一人講評。びっくりしたのは、皆レベルが高いこと。僕が次号のガロに掲載作品を一本選ぶ予定だったのだが、とても一本には絞りきれない。なので、生徒たちに最後に拍手で決を取り、上位5本ほどを掲載することにしたのだが、改めて見返してもボツにするのが惜しい作品ばかり。おおいに悩むところだ。帰りに池袋西口広場でバスを待ってるとパルコさんから携帯に電話があり、今週金曜の最終の後、学生とのみに行こう、とのこと。
4月某日
 創形最後の講義。ジャナ専で編集者志望の生徒たちに伝えていることをかなり濃縮して一気に語っていったためか、生徒はちょっと辟易した様子の子もいた。が、反面ちゃんとこちらの目を常に見て頷いたり反応しながら聞いてくれてる子もたくさんいて、嬉しかった。
 さて終了近くにパルコさんが来てくれたので、講義をちょっと早めに切り上げて生徒たちと飲みに行くことになった。…のだが、さすがに4時すぎから入れる飲み屋はなく、パルコさんと歩き回った挙句、学校の近くの台湾料理店に聞いてみると、早めにいれてくれるというのでそこに決める。学生は飲み食い放題3000円という魅力的な店で、結局生徒たちは15人以上が来た。料理もおいしかった。生徒たちはいろいろな話題や質問を浴びせてくる。ジャナ専の生徒たちに比べるとはるかに好奇心も旺盛で積極的だと感じた。これはジャナ専の生徒にはハッパをかけないといかんな、と感じてしまった。
4月某日
Fantastic Silent/by D Vizの「SCJ」掲載のため、よしもとよしともさんの原稿「Jr.」をお借りするので、吉祥寺に出かける。3時待ち合わせだったのだが、吉本さんに駅から電話すると、寝坊しておられた(笑)。喫茶店で待つことにして。40分ほど遅れてよしもとさん到着。僕より一つ年上のはずだけど、Tシャツ一枚で若く見える。原稿を拝借して、インターネットの話などを少し。前から好きな作家の方だったので、個人的にも嬉しかった。
 その足で今度は南阿佐ヶ谷へ出かけ、古屋兎丸君と会う。今や超多忙の人気作家で時間を取ってもらうのも申し訳ない感じがしていたのだが、快く「Palepoli」の原稿を貸していただいた。喫茶店で向かい会って話していると、この「Palepoli」の連載中のことや、単行本を進行させていた頃が懐かしく思い出された。ちなみに「Palepoli」は僕が青林堂在籍時代に最後に担当して刊行した作品。一から古屋さんと書店へ出向いて装幀案を練ったり、進行予定の打ち合わせの時に、最後に「…月、バカ売れ」と書き加えた。そしたら、刊行後本当にその通りになってそれも嬉しかったなあ。でも今出ている改装版は初版のハードカバーがソフトカバーに変更され、個人的にはちょっと残念。
 さて話してると古屋さんの彼女でイラストレーターのDさんの新刊がそろそろ発売日だと聞いたので、近くの書原に一緒に行ってみた。ちょうどレジのまん前の平台に平積みしてあり、さっそく購入。オールカラーで、装幀は竹智淳、帯は宮崎駿という超豪華な本。去年ロフトのイベントの時にDさんのイラストや漫画を見せてもらったことがあったが、「これは面白い、凄い」と思った。こんなに早く単行本になるとは思ってなかっただけに、感心することしきり。本の最後にある彼女の写真は、古屋さんの手によるものだ。これがまたいい写真なんだなあ。皆さんも買い、ですよ。
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