デジタルG編集長日記
2000−6

パフィーの二人、デビュー当時と顔変わってってねぇか?
6月某日
 メールや伝言板で、古屋兎丸君のインタビューが大好評。メールで「もっともっといろんな作家の生の声を聞きたいです」というリクも複数いただく。もちろん伝言板でも。先日Comic Cueの堅田さんと電話で話していて、「あれはいいですよね、今度Dさんとかどうですか」と提案される。うん、それ凄く面白い! と思うんだけど、やはりギャラも出ない、発表媒体もインターネットということだとお願いし辛い部分があるなあ。どっか本にしてくれるちゅうところがあるといいんだけどね。
 今自分がやりたい企画としては、VIZ Communications Inc.の仕事「Secret Comics Japan」で取り上げさせていただいた作家さんたちのインタビュー集だ。ちなみに作家陣は古屋兎丸、水野純子、よしもとよしとも、駕籠真太郎、津野裕子、キクチヒロノリ、魚喃キリコ、会田誠、玉置勉強の各氏(順不同・敬称略)。改めてすごいメンバーだな、と思うもん。アメリカ人の読者、幸せモンだこりゃ!なんちて。
 もう一つは成年コミック作家のインタビュー集。今やジャンルなんかボーダーレスだから、優れた作家の人でメジャー誌に出てってる人もたくさんいるし、以前ならそれでエロを卒業して…みたいな図式があったのだけど、近年はちゃんとエロもやりつつ、青年誌なんかでも活躍する…という作家も多い。つまり、飯島愛型(エロ仕事から成り上がり、過去エロを隠す)はもう古いってことか。エロが差別されていて、一段低いという意識が他ならぬ描いてる人にあるから、「俺なんかもうエロ描かないもんね。メジャー作家だもんね」みたいなことになってたのかな、と思うんだけど、山本直樹(森山塔)さんあたりから変わってきたような気がする。まぁでも今は同人誌もあるから、エロが描きたくなっても、無理に商業エロ描かなくてもいいのかも知れない。…というようなあたりを含めて、聞いてみたい気がするのね。
6月某日
 実は4月半ばから突然隣家の取り壊しが始まり、連日物凄い轟音、振動、埃で迷惑していた。取り壊しが終わると、今度は基礎工事で朝から重機が入り、地ならしやらセメント流し込みやらの騒音。さすがに耐えかねて連れが施工主に苦情の電話を入れると、木で鼻をくくったような態度で「そういうことは工事業者に任せてますから。おたくのマンションの管理会社にも連絡したはずですよ。それにうるさくしないように言ってあります」だと。お前にはこの騒音と振動は聞こえないのか? と怒り心頭。ひょっとして本当にうちの管理会社には連絡が来ていたのかと思い、確認の電話をすると「そんな連絡は受けてません」とのこと。数日後、先方の業者に確認の電話を入れてくれたところによれば、近隣への工事の通知は一切行っておらず、どうやら確信犯的に工事を始めたようだ。名前を聞けば誰でも知っているような大手の業者である。施工主もてめえの土地にてめえの金で建設工事をして何が悪い、という態度らしい。完全にブチ切れたので、業者を呼びつけて文句を言う。
 大体工事の詳細を告知する看板も出していない。工事開始も直近の住民に何ら挨拶も通知もない。早朝8時以前はできないはずの工事を行っている。日曜日にも工事を行った。こちらが苦情を言ってようやく日程の通知の張り紙を、それもうちの管理会社がおたくに聞いて初めて貼られた。いったいあんたら何考えてんだ? と。業者は平謝りで、騒音が立つ場合や重機が入る工事を行う場合は事前に連絡いたします、とのこと。法的なことは知らんが、確かにてめえの土地にてめえが建物を建てることに関しては何の問題もない。が、であればてめえの土地を一歩でも外れた部分に騒音や振動や埃を出すな、ということだ。それは絶対無理だろう。であれば、当然近隣に迷惑をかけるわけで、何らかの断りや通知はあってしかるべきではないか。
 東芝のユーザへの対応が問題となり、個人のHPで一ユーザが告発して話題になったのは記憶に新しい。その後、そのユーザ自体にも問題ありというマスコミ報道も出たけれど、大企業が自分たちの利益を優先して無法を行うことに対して、一個人はあまりに無力。それに対して行動を起こしたことは評価しなければならないし、実際企業イメージのダウンなどマイナス効果はかなりのものだったと聞く。企業は自社イメージのアップ・宣伝のために広告を打つが、ああいうことはマイナスの意味の逆広告として相当なダメージがあっただろう。こっちもやってやろうか、と本気で思った。実際あまりにひどいので、日曜の早朝に騒音で叩き起こされたときなどはビデオで撮影までした。泣き寝入りはせんぞ。
6月15日
 学校で講義を終えたあと、教室の外で熱心な数名の生徒と実習誌のことなど話す。そのうち彼ら編集者の卵が同世代の漫画家の卵にインタビューする、という企画を進めている二人の男子がいろいろ聞いてきたので、帰路話しながら歩くが、落ち着かないのでルノワールに入った。結局2時間以上、漫画編集のことや業界のウラ話、果ては政治の話など。


6月16日
 水野純子さんの原稿を返却するため、Comic Cueの堅田さんと会う約束をしていたが、昨日は講義の帰りに生徒たちに付き合ったので行けなかったので、電話して来週の木曜日に会うことになる。
 午後買い物に出かけたが、梅雨の中休みで30度を越える猛暑。ダイエーで今年も自家製梅酒を造るための8リットル瓶や青梅、リキュール、氷砂糖などを買い込む。去年漬けた梅酒はクラッシュアイスで飲むとなかなかイケてたのだが、もうほとんど残っていない。帰宅すると汗だく。5時過ぎに、皇太后が死去したと臨時ニュース。車椅子になって以来、ずいぶん前からボケが進行していたというし、97歳だから老衰ということだろう。
 夕方、Vizの担当者・泉嬢からメールで、進行中のアンソロジー「Secret Comics Japan」のイントロダクション(総論)について加筆を頼まれたので、パソコンに向かって執筆。うーん、アメリカの読者に日本の漫画界の現状を伝えるというのはなかなか難しいもんです。
6月17日
 評論家であり、「ガロ」の大先輩、僕をジャナ専講師に引っ張って下さった上野昂志先生から電話。ある作家の方の連絡先を聞きたいということで、お教えしたあとちょっと世間話。ある版元から出す漫画関係の企画への協力の話もあったので、快諾させていただく。
6月18日
 パルコさんと長電話。ガロのことや漫画のことなど、いろいろ話す。とにかく今しかできない面白いことをやっていこう、40,50になってからでは遅い…というわけで、本格的にコミック昭和40年会をスタート。コミケで売ったていいじゃない、誰に言われてやるわけでもない、自分がやりたいと思う面白いことをやろう。
6月22日
 ジャナ専の講義に、今年卒業した女子生徒、IさんとIさん(イニシャルが同じだ…)二人が遊びにきてくれた。教室に入ってもらい、何か話してもらおうと思ったが「遊びに来ただけなんで、そんなつもりは…」と固持されたので、今の生徒たちにいろいろ質問をさせて答えてもらう形を取った。現在の生徒たちはまさに実習誌の製作中で、依頼したアマチュア作家さんとネームをやりとりしたり、ネームを打ち込んだりという作業の真っ最中。去年実習誌を作成した先輩たちに、いろいろ質問を浴びせていたが、一部の熱心な生徒たち以外は例によっておとなし〜く、ちょっと残念。しかし講義終了後、数名の熱心な生徒たちとIさんらを連れて喫茶店に行っていろいろ話す。何か後輩に付き合わせて気の毒だったかな。

 その後イーストプレスの堅田さんに公衆電話から連絡、ちょうど出かける用事があるというので、高田馬場で落ち合うことになった。携帯電話が未払いで止められてるので不便この上ない。口座引き落しじゃないので、いつも振込用紙が送られてくる。当然忘れる。忘れると今度はDOCOMOショップへ行って窓口で支払わないとならない。窓口はどこの店舗も混雑している。結局時間がないため敬遠する。止められる。この繰り返し。何で携帯持ってんだかさっぱりわからん。

 明治通りと早稲田通りの交差点で待っていると、堅田さん自転車で登場。イーストプレスのある江戸川橋近辺から、渋谷くらいまでなら自転車で行ってしまうという。健康的だなあ。そういや昔高島平からしばらく神保町まで自転車で通勤したことがあったが、会社につくとすでにヘロヘロだったので挫折した。当時の青林堂は力仕事が多かったので、仕事にならなかったのだ。喫茶店に入って、最近の漫画界のことからエロ話まで(笑)、2時間ちょっと。30過ぎの男二人が喫茶店でガラナ飲んでエロ話、シラフで。
 池袋からバスで帰路につく。8時頃到着して連れと蕎麦屋で夕飯。夕方から降ると言われてた雨は、結局ポツリときたくらいで降らなかった。
6月27日
 実は今月に入ってからいろいろあり、結局ガロで連載していた「4コマGARO」を降板することにした。

 もちろん僕の本意ではない。詳しくはデジタルG内の4コマGAROを見て欲しい。

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